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1章
匂いかぎテクニック
Q 香りの覚え方を教えてください。

香りは漫然とかいでいても憶えられません。  自分なりの方法、手順を身につけてください。 次のような手順が一般的ですので参考にしてください。
1・勉強すべき香りを憶える(いきなり、問題の香りをかいではいけません)

 1)ムエットに名前を書き香料をつける
 2)香りをかぎながら特徴、表現をメモする
 3)勉強すべき香りの数だけ1)、2)をくりかえす
 4)ムエットの名前を見ないようにして自分で香り当てを繰り返す
2・問題の香りの判定
 1)一通りかぎながら名前を判断し、答えをメモする(かいだ後は必ずセロハン袋に戻しましょう!)
 2)分からなかった香りは憶えるときのメモも参考にもう一度判定する
 3)新しく、全部の香りをムエットにつけたものを用意する
 4)問題の香りとどれとが同じ香りか捜し、確認する
3・回答用紙の記入
 1)香り判定の結果を書く
 2)メモを参考にしながら香り表現を充実させる

Q 上手な香りの比較法
ムエットにつけたA,Bを図のようにもち、
A
をかいですぐBの香をかぎ、再びAの香りに戻る。
これを繰り返すと
A,Bの違いに気づきやすい。
Q 鼻が疲れたときどうしたらいいですか?

どんなに鼻のいい人でも、同じ香りに長く曝されれば、嗅覚疲労が起こります。 感度が下がる、いわゆる鼻がバカになるという現象で、心理・生理学的には順応といわれます。 これを避けて、正しく香をとらえるようにするには、鼻をやすめながらかぐしかありません。 無臭の空気で鼻をリフレッシュするのが一番ですが、一旦、別の香り(自分の手の甲の匂いを嗅ぐという人もいる)をかいで注意をクリアするというのも、同じ香りに麻痺したときの対処法です。また、ミント系の香りを嗅ぐと回復しやすいという説もあります。

Q ニオイを意味する言葉の使い分けについて
匂い(ニオイ):嗅覚による生理反応としての匂いで芳香、悪臭を問わない
臭い(ニオイ):主に悪臭、不快な匂いを指す
臭い(クサイ):不快な匂い感覚を形容する言葉
香り(カオリ):「花の香り」の例のように具体的なよい匂いを指す時に用いる
薫り(カオリ):「風薫る五月」の例のように抽象的な芳香
Q 香りの表現のしかた

香り表現には2つの異なった視点があります。
1・客観的表現香りを分析的に観察し、構成要素を述べる方法で、トップ〜ラスト、シトラス〜アニマルのノート用語、ブーケ〜オリエンタルのタイプ用語、具体的香料名などを使って表現します。
2・主観的表現香りの印象を文学的、詩的に表現します。 さわやか、セクシーなどの形容詞を使って述べることから、思い描く情景などを文章で表現する場合もあります。
1が得意な人、2が得意な人、さまざまですが、フレグランスコーディネーターとしてはできるだけ偏らない表現力を持ちたいものです。

Q 同じ香料でもムエットが異なると香りが異なるように感じるのですがそういう現象はありますか?
例えばケント紙とろ紙など、ムエットの紙質の違いの影響が香りの印象にでることはあります。
香料の保留性が違うためですが、トップノートに違いが出やすいように思います。 厳密な比較をするときはムエットの質、サイズ、つけるタイミングなどできるだけ条件を同じにするのが原則です。 また、肌につけた香水の香りは、体温の影響でトップノートがすぐに消えるため、トップノートが充分残っているムエットの香りとは、かなり異なった印象になるので注意しなければなりません。
Q 似たような香りを憶えたり表現したりする方法は?
似たような香りを憶えるには
@自分が記憶している、ある香りに、似ていると記憶することが大切です。 次に、
Aその香りに”○○を混ぜたような”という記憶のしかたをします。
微妙な違いは絶対的に記憶するのはプロでも簡単ではありません。 しかし比較して匂いが違うことはアマでわかります。
でもその違いを表現するとなるとやさしくはなく、それを訓練するのがパフ講座の狙いでもあります。
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